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野生のルアックとコーヒー豆の収穫風景を背景に、飼育ルアックの重要性と野生にこだわる理由を示す、自然豊かなコーヒー農園のイメージ画像

ワイルドルアックと飼育ルアック――0566が野生にこだわる理由

コピルアックについて語るとき、避けて通れない問題があります。

それは、ジャコウネコを檻で飼育し、コーヒーチェリーを与えて採取する生産が存在することです。

「コピルアックは動物虐待ではないか」という指摘には、実際の背景があります。その一方で、野生動物が自然の中で食べたチェリーから採取する、昔ながらのワイルドルアックもあります。

0566珈琲製作所は、この二つを同じものとして扱いません。

ワイルドルアックとは

ワイルドルアックは、自然環境の中で暮らすジャコウネコが食べ、排出したコーヒー豆を人が探して回収したものです。

ジャコウネコはコーヒーチェリーだけでなく、さまざまな果実や昆虫などを食べます。人が食事を一種類に制限するのではなく、自ら移動し、自ら食べるものを選びます。

そのため採取量を正確に計画できません。どこに現れるか、どれだけコーヒーチェリーを食べるかは野生動物次第です。探しても見つからない日があり、品質や量にも自然な変動があります。

飼育ルアックは、なぜ生まれたのか

コピルアックが世界的に知られ、高値で取引されるようになると、より安定して多く採取する方法が求められました。

そこで、捕獲したジャコウネコを檻に入れ、コーヒーチェリーを与える生産や、観光客に見せながら販売する施設が増えました。

飼育そのものを一括して語ることはできませんが、コピルアック観光施設を調べた2016年の研究では、観察対象となった施設で、狭い飼育空間、不適切な床、休息場所や隠れ場所の不足、食事の問題などが報告されています。2023年発表の研究でも、バリの観光農園や野生動物市場における飼育と福祉が検討されています。

この問題は、動物保護団体の単なるイメージ批判ではありません。現場調査に基づく動物福祉上の課題です。

「野生」と書いてあれば安心なのか

残念ながら、商品に「Wild」と書いてあるだけで、その由来を完全に証明することは困難です。

野生採取は量が不安定です。一方、市場では多くのコピルアックが一年中販売されています。流通の途中で複数の原料が混ざれば、完成した豆から飼育か野生かを判別するのも簡単ではありません。

だから0566では、表示だけではなく、誰から仕入れているか、現地で何を確認してきたかを重視しています。

私自身が現地へ行ったからといって、将来にわたって何も疑わなくてよいとは考えていません。天然物と人の流通を扱う以上、関係を継続し、疑問があれば確認し、入荷した豆を毎回見る必要があります。

0566がワイルドルアックを選ぶ理由

第一の理由は、ジャコウネコを檻に入れ、コーヒーだけを強制的に食べさせる生産を支持しないからです。

第二の理由は、品質です。野生のルアックが自ら行動し、熟した果実を選ぶこと。その地域に育つアラビカを元にすること。この条件に、コピルアック本来の意味があると考えています。

第三の理由は、現地との関係です。0566は、北スマトラの採取に携わるスタッフから直接仕入れるルートを作ってきました。代金が現地へ届き、彼らの仕事が続く取引を目指しています。

現地スタッフからは、ルアックが暮らせる森を残し、コーヒーだけでなく餌になる果実の木も守っていると聞いています。

※画像候補:野生環境/採取スタッフ/現地での集合写真

「飲むことが森を守る」と言い切れるか

ここは慎重にお伝えしたい部分です。

コピルアックを販売すれば、自動的に森林や野生動物が守られるわけではありません。高い需要が、逆に捕獲や飼育を増やす可能性もあります。

大切なのは、野生採取であることを確認し、採取に関わる人へ正当な対価が届き、ジャコウネコが生きる環境を残すことに価値が生まれる取引を続けることです。

0566は、自分たちの取引が完全だと宣言するのではなく、現地との関係と流通をできる限り確認し続けます。それが、コピルアックの恩恵を受ける者の責任だと考えています。

動物福祉を心配する声とは、対立する必要はありません。飼育生産の問題を知ったうえで、0566がなぜ野生由来を選んでいるのかを伝え、確認できる範囲を広げていくことが大切です。

採取しただけでは、おいしい一杯にならない

どれほど希少なワイルドルアックでも、生豆のままでは飲めません。最後に味を決める重要な工程が、焙煎です。

0566で焙煎テストを重ねる中で、ひとつの問題に気付きました。

コピルアックの独特な香りが最も美しく現れる焙煎度と、甘さや厚み、余韻が最も整う焙煎度が、わずかに違っていたのです。

どちらかを選べば、もう一方の魅力を十分に生かせません。中間で止めれば、両方が中途半端になる可能性があります。

ひとつの生豆を、二つの焙煎度に

そこで0566は、同じコピルアックを二つに分け、それぞれ別の焙煎度に仕上げてから合わせる方法を選びました。

一方は香りを生かす焙煎。もう一方は、味、甘さ、奥行きを作る焙煎です。

二つを合わせると、独特の芳香を残しながら、口当たりと余韻に厚みが生まれました。

複数産地を組み合わせる一般的なブレンドではありません。**ひとつの生豆に二種類の焙煎を施し、最後に合わせる。**0566では、この方法を「シングルブレンド」と呼んでいます。

手間は通常の倍近くかかります。しかし、非常に希少な豆だからこそ、名前に頼らず、カップとして最もおいしい状態へ持っていきたいのです。

※画像候補:二つの焙煎豆と、混ぜ合わせた豆/焙煎機/完成した一杯

本物とは、物語だけでなく味で伝わるもの

コピルアックは「一生に一度は飲みたいコーヒー」と言われます。

しかし0566が届けたいのは、話の種として一度飲んで終わるコーヒーではありません。

野生のルアックが選んだ果実。北スマトラの土地。森を歩いて採取する人々。直接輸入を続ける関係。そして、日本で香りと味を整える焙煎。

そのすべてを知ったうえで、「珍しいから」ではなく「もう一度飲みたい」と感じてもらえること。それが0566の考える、本物のコピルアックです。

0566のコピルアックを味わう
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