コーヒーの袋を開けた瞬間に広がる香り。豆を挽いたときに、さらに立ち上がる香り。
この香りを楽しめることは、コーヒーの大きな魅力です。けれど、焙煎後のコーヒーはずっと同じ状態ではありません。
鮮度は大切です。ただし「焙煎した直後が、どんな豆でも一番おいしい」とは限りません。
今回は焙煎後に起きている変化と、自分にとっての飲み頃を見つける方法を紹介します。
焙煎が終わってからも、豆は変化している
焙煎中にはガスが生まれ、その多くを二酸化炭素が占めます。一部は焙煎中に抜けますが、一部は豆の内部に残り、保存中も少しずつ放出されます。この現象が「デガス」です。
研究では、豆のままと粉の状態、焙煎度や焙煎条件によってガスの放出の仕方が変わることが調べられています。ガスは包装だけでなく、抽出やエスプレッソのクレマにも関係します。[Smrkeほか、2018]
つまり、焙煎日から同じ日数がたっていても、すべての豆が同じ状態になるわけではありません。
「鮮度」と「飲み頃」は、少し違う
鮮度を考えるときには、香りをできるだけ保つことが大切です。一方、飲み頃は、実際に抽出しておいしく感じられる時期のこと。
焙煎直後の豆を飲んで、香りは強いのに味がまとまりにくいと感じることがあれば、数日後にもう一度試してみてください。どちらが好きかは、豆や淹れ方、飲む人によって変わります。
ここで「必ず何日待つ」と決める必要はありません。ガスの抜け方が違う以上、すべての商品に一律の待ち時間を当てはめるのは難しいからです。
店頭で飲み頃を相談するときも、「ドリップで飲む」「エスプレッソに使う」と伝えると、用途に合った話がしやすくなります。
休ませることと、袋を開け放つことは別
時間を置けば、いつまでも味がよくなるわけではありません。
開封後の保存を調べた研究では、空気との接触を抑える保存方法が香りの維持に役立つことが示されています。ガスの変化を待つ間も、香りを保つ配慮は必要です。[Smrkeほか、2022]
「ガスを抜きたいから」と袋を開けたまま置くより、使用後はきちんと閉じ、商品の保存表示に沿って扱いましょう。
0566から提案したいのは、特別な道具を増やす前に、まず購入量を見直すことです。たくさん買って長く持たせるより、自分の飲むペースに合った量を選ぶ。その方が日々の管理を続けやすくなります。
豆で買う? 粉で買う?
豆を挽くと、豆のままのときとはガスの放出の仕方が変わります。[Smrkeほか、2018]
家庭にミルがあるなら、飲む直前に必要な分を挽く楽しみがあります。香りの立ち上がりも、一杯を淹れる時間の一部になります。
一方、ミルがなければ粉で購入して構いません。大切なのは、道具をそろえることを負担にしないこと。少なめの量から購入し、袋を開けた日も覚えておくと、自分に合った買い方を見つけやすくなります。
同じ豆を、日を変えて飲んでみる
飲み頃を知るために、難しい評価表は必要ありません。
たとえば購入後の最初の一杯、3日後、1週間後に、同じ豆を飲んでみてください。この日程は品質の期限ではなく、変化を観察するための例です。
比べるときは豆の量と湯量、挽き目をできるだけそろえます。注目するのは、次の3点くらいで十分です。
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香りはどんな印象か。
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酸味・甘さ・苦味のバランスはどうか。
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飲み終わったあとに、もう一口欲しいと感じるか。
「最初の日が好き」「少したってからの方が飲みやすい」。どちらも、自分の好みを知る大事な発見です。
0566が大切にしたい、鮮度との付き合い方
0566珈琲製作所では、焙煎を通して、どんな酸味や甘さ、余韻を届けたいかを考えています。
その一杯を家庭で楽しむときには、焙煎日という数字と一緒に、目の前の味にも目を向けてみてください。
新しい豆を選ぶこと。扱いやすい量を買うこと。そして日ごとの変化を楽しむこと。鮮度を知ることは、おいしさを急いで消費するためではなく、自分の好きな一杯を見つける手がかりになります。